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色褪せないシステムも存在する

はい、こんにちはこんばんはおはです(^^♪

今日は、決して色褪せない良いモノの話…ではなく

色褪せないシステムについて語ります。

いつの時代でも良いものは良い

それはモノ以外にもあり得る、時として存在するのです

先日、体のとある症状から内科医にかかったのですが大きな病院で診てもらえといわれ紹介状をもって大病院を訪れました。病院はいろんな選択があったのですが実家のすぐ近くの病院にすると秒速で決めた次第です。

久々に訪れた大病院。病棟が完成したのは平成元年くらいだったかな、もう30年以上たつのにまだ新しいままにも見えるし隣には新しい大きな病棟が完成していた。

さてさて、お話は病院のことではなくこの病院が取り入れてる、いわば生産方式に纏わることに焦点を当ててみたいと思う

トヨタ生産方式をご存じだろうか?

言わずと知れたトヨタ自動車が生み出したシステムのことです。このトヨタ生産方式はモノづくりだけに留まらずいろんな分野に応用がきく、まぁ神の方式のようなもの…は大げさに聞こえますが近いものがあると自分は感じております。もう半世紀以上も前から脈々と実行され続けこれからも何世紀と続いていく可能性を秘めてます。そしてこの病院はトヨタ自動車が運営しているのです。

最近義理の母が大病を患い大きな隣町の病院に送り迎えをよくしてます。そこの病院で感じたものは

とにかく時間にルーズ

予約の時間なんて2時間は平気で遅れます。その間待つしかない。ハッキリ言って丸一日を病院で費やすほど、正直うんざりしてました。が、しかーし!このトヨタの運営する病院は明らかに他の病院とは違うのです。良い人材は良い環境がつくると聞いたことがあると思いますが、まさにそこです。働いてる人たちの平均年齢がかなり若いとすぐに気づいたが、なにより何かイキイキしてるし、丁寧だ。余裕がないと産まれない雰囲気なのです。どういうことかというと、仕事のこなし方が速いと余裕が産まれます。その余裕がまた新しい仕事を生み出しより改善された工夫が生みだされるという循環が出来上がるのです。つまり余裕が余裕を生み出し、切羽詰まった状態はさらに切羽詰まった状態を生み出してしまうのです。仕事が速いというのは決して雑なわけではないのです。むしろ丁寧な人のほうが結果的には速いのです。

好循環を生み続ける

ここの次元が他の病院と大差がくっきり出てます、気持ちいいほど。

では、トヨタ生産方式とは何なのか

それは、ジャストインタイム自働化です。この二つがトヨタ生産方式の二大柱でありここから細かく分類されていくのです

お気づきだろうか?

自働化という字は自ら働くと書きます

トヨタがつくった造語なのです

自ら働く…?ピンときてるようでピンとこない(笑)皆がソクセンして働けば良いに越したことない!なんて簡単に言えるのですが話はもうちょっと深い。トヨタには「そのためにどうする?」が必ず付きまとうのです。それが習慣になってるのです。なぜを5回繰り返せと教えられます。「なぜ○○になってうまくいかないのか?→→□□でやるとそうなる→なぜ□□じゃなければいけないのか→△△があるから→なぜ△△が必要なのだ→過去に☆☆の出来事があったから→なぜ現在はそんなことあり得ないのにやる必要がある?→・・・→なぜだろう?→そこを改善しよう!」というのがトヨタ式なんです。毎日毎日創意工夫を提案するのです。毎日そんなにあるのかって思うでしょうが、一つ知恵を絞るとさらに二つ出てくるんです。仕事とは湧いてくるものということを実感させられるかのように…

そしてなにより掃除が基本です。5Sといって整理、整頓、清潔、清爽、躾。これが徹底してます。つまりいらないものが無い、取り出したいものが瞬時に出てくる、そうなると危険やケガも少なくなる。そして綺麗な環境がいいものを創りだしていくのです。地べた置きなんてあり得ない光景の世界ですよ(笑)

さてもう一つの柱ジャストインタイムとは…直訳すると丁度よい時間!その通りですねぇ、丁度良い時間なんです(^^;そう言っちゃえば簡単なのですがこれもちょっと深い

トヨタでは「遅くてもダメ、早くてもダメ」なのです。どういうことかというと、チーム全体で動いてる二人三脚の中で、誰かが遅いと足を引っ張る形になるのは容易に理解できますね。では二人三脚ではなく十人十一脚、百人千人…そんな中で一人でも足踏みが早かったら全員の足踏みが狂ってしまうのです。特に納期がそうです。トヨタに決められた納期の日以外に納めるなんてあり得ません。その日を遅れるのは納期遅れになるのはわかると思いますが、早くても受け付けてもらえません、なぜだかわかりますか?それは「欲しい時に欲しいものを欲しい数だけ」を徹底しているからです。直ぐに使わない部品なら置いておくだけで在庫となり無駄な産物と化します。使う瞬間に部品が入ってくることの方が理想的であり効率的なのです。場所を占領しない、鮮度が高い、まさにジャストインタイムというのはちょうど良いというよりこれ以上の理想的な生産はないと言えるものでしょう。これは家庭でも応用が利きます。冷蔵庫の中にどんどん食料品を詰めていったら管理が大変になってしまうし、賞味期限がどんどん迫ってきてしまいます。でも必要な時に必要なものを必要な数だけ入手すれば冷蔵庫は無くても良いまでになります(究極的にはですが)。必要なもの以外のものを買わなければ、賞味期限は販売元が管理してくれます。それに釣れたての魚をすぐに食べる方が絶対に美味しいですからね(笑)

そして在庫を抱えないためのシステムが、かの有名な「カンバン方式」なのです。

カンバンとは生産者に渡す注文書のようなものです。カンバンが来たら生産をして後工程に部品を渡します。使った部品はカンバンを出してまた発注をかけます。全ての生産指示はカンバンによって成り立っているので号令をかける必要がありません。そのカンバン通りに生産を時間通りに進めることによって巨大な歯車が規則正しくリズムをつけて回っているのです。これがジャストインタイムなのです。一番最初にカンバンを出すのが誰だかお解りですね、お客様なんです。全てはお客様の指示であり後工程に渡す製品の集合体を最後に受け取る人こそがお客様なんですね

全てにおいて改善を尽くすトヨタですがこの生産方式は色褪せることなく変わらずに続けられているシステムなのです。

さてこの方式を病院にあてはめてみましょう

患者の予約時間を遅らせることはまづ、あり得ませんね。遅れる原因があるならば「なぜ?」を繰り返し改善していくからに他ならない。実際予約時間ぴったりに受診が始まりました。観察していたのですが、受付けから診療室までの間の配置にムダが全く無く患者がまよわないように工夫がいくつもされていた。受付で整理番号を取って待つ間には専用の看護師さんが声をかけてきて、その場で書類をまとめ、空いてる血圧計を先に計測するように指示を出したりして待ち時間を効率よく回していたし、なによりイキイキとプロ意識を感じさせながらテキパキ動く姿は患者側もテキパキ動こうとするなにかが確かに感じとれた。

そしてとにかく5Sが行き届いている。他の病院も比較的綺麗なのだが一線を画している。無駄なものなど何もない、カーテン一つでもトヨタらしく簡単に片手で確実に閉めれる工夫がされていた。

病院の敷地内に看護専門学校があった。そこまでやるか!と感じた次第です。次元が違うことに気づいたのは皮肉にもトヨタを離れてからだった。それが当たり前と思っていたのは井の中の蛙で、改めてそのすごさを目のあたりにしたものです。トヨタという空間は僕にとってなにか心が落ち着く、生まれ育ったからなのだろうか。10代のころは屋上にいって景色を眺めていたものだが、今でも屋上にいけるのかな…帰ってからそう思ったのでした

話は逸れつつもまとめるとトヨタ生産方式というものは今後何世紀にもわたって色褪せず受け継がれていくであると信じてる。どんな産業にも当てはめてみて欲しい。きっと答えが出るまで問うという答えにたどり着けるはずだから。

良いものというのは本当に良いのだ